先週、モーニング娘。の新曲「One・two・Three」をyoutubeで聴いたんですが、あまりの凄さに震えがきましたね。んで、そうか、50枚目のシングルか……と思って歴代シングルをあらためて順番に聴き直して考えました。「モーニング娘。の歴史をどうやって区切るか」。
活動歴の長いアーティストだと、そういうのはよくファンの間で議論の対象になります。ビートルズなんて未だに「前期はどのアルバムまでか?」「"中期"という概念は必要なのか否か?」なんて議論が行われておりますからね。
という訳で、まあ多分そんなに異論も出ないであろうごく普通の区切り方ではありますが、俺なりの「モーニング娘。史観」を披露したいと思うわけです。
(ムダな情報ですみません、赤字の曲名は俺が現在も好きで評価している曲です)
【初期】
モーニングコーヒー / サマーナイトタウン / 抱いて HOLD ON ME ! / Memory 青春の光 / 真夏の光線 / ふるさと
ちょっと次の「LOVEマシーン」が別格すぎるので、初期はこの線引きしか考えられない。「ASAYAN出身のグループ」ってイメージが強かったのもここまでなんじゃないかな。
楽曲的にも、つんくが完全に主導権を握ってたのはこの辺まで(もしくはダンスサイトあたりまで)なのではないか、というのが俺の見方。だから、アルバムの『セカンドモーニング』至上主義者みたいな人がいるけどそれは凄く良く分かる。あれは、最も濃厚につんく成分が含まれているアルバムだと思うから。
【黄金期】
LOVEマシーン / 恋のダンスサイト / ハッピーサマーウェディング / I WISH / 恋愛レボリューション21 / ザ☆ピ~ス! / Mr.Moonlight~愛のビッグバンド~ / そうだ!We're Alive / Do it! Now
要するに「後藤真希在籍期」になってしまいますね、ここは。俺はこの頃「最もモー娘。に好意的な一般人」という立場で見ていたんだけど、やはり「LOVEマシーン」で始まった何かが、「Do it Now」で終わった感じがあった。
音楽的にはほぼ「ダンス☆マン期」といえるかもしれないが、「恋愛レボリューション21」直後にベーシストTOCA氏が急死してしまったので、「ザ☆ピ~ス!」以降のダンス☆マン・サウンドは、俺にはちょっと弱く感じる。俺は、それがモー娘。楽曲にダンス☆マンが起用されなくなった一因だと思っている。
【模索期】
ここにいるぜぇ! / モーニング娘のひょっこりひょうたん島 / AS FOR ONE DAY / シャボン玉 / Go Girl~恋のヴィクトリー~ / 愛あらばIT'S ALL RIGHT / 浪漫~MY DEAR BOY~ / 女子かしまし物語 / 涙が止まらない放課後 / THE マンパワー!!! / 大阪 恋の歌 / 色っぽい じれったい / 直感2 ~逃した魚は大きいぞ!~
正直、最も友好的な傍観者であった俺の目にも、この頃のモーニング娘。楽曲は魅力に乏しかった。こうして並べてみると本当に路線が定まってない感じだ。一曲ごとにやってることが違うもんね。逆に言えば色んなことやってるから、「Go Girl」とか「マンパワー」とか面白い曲もあるんだけど。
それにしても「ここにいるぜぇ!」、後藤真希が抜けた直後で俺はすっかり白けた気持ちで聴いていたのを憶えているけど、それが今では完全にハロプロのアンセムになってるのが感動的です。「すでにこの時点で次のステップの種は蒔かれていたのか」と。
【広義プラチナ期】
SEXY BOY~そよ風に寄り添って / Ambitious! 野心的でいいじゃん / 歩いてる / 笑顔YESヌード / 悲しみトワイライト / 女に 幸あれ / みかん / リゾナント ブルー / 泣いちゃうかも / しょうがない 夢追い人 / なんちゃって恋愛 / 気まぐれプリンセス / 女が目立って なぜイケナイ / 青春コレクション / 女と男のララバイゲーム
「プラチナ期」という便利な概念があるので便乗してしまおう。狭義のプラチナ期っていうと「リゾナントブルー」以降ってことになるんだろうけど、俺は「SEXY BOY」から快進撃が始まったと思うんでここで線を引きました。というか、「モーニング娘。の迷走は『直感2』で終止符を打った」という意味の方が強いかもしれない。
この時期のシングルは、特に俗に言う「辛気くさい三部作(泣いちゃう~夢追い~なんちゃって)」に顕著だけど、「ハイパー・ムード歌謡」とでもいうべきトーンで統一されている感じだ。しかもどの曲も(歌謡曲っぽく泥臭いが)圧倒的に完成度が高い。
で、こうして眺めて思ったけど、コミカルに走った曲が一曲もないのもこの時期の特徴なんですね。メンバーの平均年令が20歳前後まで上昇したこともあり、かつてないほどシリアスで大人っぽい路線を追求していた時期でありました。
【現在】
まじですかスカ! / Only you / この地球の平和を本気で願ってるんだよ! / ピョコピョコ ウルトラ / 恋愛ハンター / One・two・Three
そして9期&10期が入って一気に若返り、プラチナ期の大人っぽい路線からは完全に一線を画して現在に至る訳ですが。俺は当面は「ピョコトラ」「彼店」路線で行くのを覚悟してたんですが、「恋愛ハンター」で一気に「カッコいい路線」に立て直してきて驚いた。そして「One・two・Three」でたたみ掛けてくるのだから、まったく凄いものです。
さて、こうして振り返って感動するのが、俺の好きな時期を並べると、ちゃんと順番に
【現在】>【広義プラチナ期】>【模索期】>【黄金期】>【初期】
になってることです。やはりモーニング娘。は常に前進するアーティスト、まさに「モーニング娘。進化論」であります。
実は俺、「正直もうこの先、プラチナ期を超えることはできないだろうな」とか思ってたんですよ。しかし「恋愛ハンター」と「One・two・Three」の流れで俺は確信しました、今のモーニング娘。はプラチナ期を超えた、と。