ブスにならない哲学 / ハロー!プロジェクト モベキマス
モベキマス「ブスにならない哲学」が凄い。「HEY! HEY! HEY!」出演時の録画とyoutubeを一日に何度も繰り返し再生し、女房から「この曲だけはもうやめて」とクレームが入るほどのヘヴィローテーションという状態が既に3週間続いているというのに、それでもなおCD発売まで10日もあるというのは、いったい事務所は何考えて発売日を設定してるんだよ!という話ですが。
最初聴いた時は、やはりいつものハロプロシングル同様「せっかくハロプロ全員集合なのに、何でこんな訳の分かんない駄曲なんだ」という感想だったが、すぐに「ハロプロ史上10傑に入る出来かもしれん……」と思うようになった。間違いなく、今年のハロプロ最高傑作です。
この曲が不思議なのは、どこがいいのか全く説明できないところだ。
俺は、「自分がその曲のどこが好きなのか」を言葉で言い表すことが出来ると信じていたが、この曲については、聴き始めて三週間経ってもそれが出来ない。いったい俺はこの曲のどこに惹かれているのだろうか。
基本構造はリズムが四つ打ちのディスコで、乗ってるメロディが歌謡曲調という、まったくいつものハロプロ節ですよね。楽器の音色も特に変わったところはなく、オーソドックスなJ-POP調。ちょっとシンセベースの音色に癖があるくらいか。とにかくサウンドが普通なので、全体的に地味な印象です。
今の俺が敢えてこの曲の素晴らしさを説明するとすれば、とりあえずサビのベースが変態的で凄い。ジェフ・ミルズみたいに16ビートで動き回るベースの感じは、「気まぐれプリンセス」の応用だろうか。これはこの曲の快楽成分にずいぶん貢献してると思う。
もう一つはコーラスのインパクトですよね。いきなりの「Maybe」のハモりもサビの「Do you know?」「oh no」も人数が多いせいか、ゴージャスな耳心地で俺は好きです。
そして何より、曲の結びの「てつがーく!」、ここに感動する。
サビが深まってきたところで、「け〜して いわなーい〜〜 I'm not telli〜〜〜〜ng」で6小節もずっとほぼ同じ音程でグイグイ引っ張って緊張感を高め、最後に全員の重厚なコーラス「てつがーく!」で落とす、このカタルシス。これを味わいたいがために俺はこんなにリピートしてるのかもしれないです。
「説明できない」と言っておいて長々と書いてまいりましたが。アレンジもオーソドックス、サウンドも地味、しかしここまでしっかり聴かせるのですから、やはり基本的な楽曲が良いんでしょうね。
モベキマス「ブスにならない哲学」、とりあえず発売まであと10日。